【実施報告】第124回マッセ・セミナー(令和7年11月12日開催)について

更新日:2025年11月26日

「歩く」が勝ちのパフォーマンス向上術

人間は進化の過程で歩くことや身体を使うことが健康や幸福に直結していると言われています。にもかかわらず、社会システムが座りがちで身体を使わない方向へと進んでいることで、無意識のうちに慢性的な疲労やストレスを抱え、心身のバランスを崩す原因の一つになっています。

スタンフォード大学の研究によると、歩くことで創造性が約60%向上することが明らかになっており、「歩く」ことで思考がリセットされ集中力が高まり、パフォーマンス向上に繋がるとされています。

そこで、『歩く マジで人生が変わる習慣』の著者である池田 光史 氏をお招きし、現代人が忘れてしまった人間の本質的行為ともいえる「歩く」ことの重要性や効果についてお話をいただきました。

第124回マッセ・セミナーのようす

セミナーの様子

冒頭で、1日どれくらい歩いているか、歩数を認識しているかの問いかけの後、ご自身の経験を踏まえ、「歩く」ようになったきっかけや、感じた効果をご紹介いただきました。

1.偉人たちは気づいてた

歴史上の偉人たちは「歩く」ことの効果を実感しており、多数の言葉が残されているという紹介がありました。

(例)

「散歩には思考を刺激し活気づけるものがある」ジャン=ジャック・ルソー(哲学者)

「自然の中を歩くことほど幸せなことはない」ベートーヴェン(作曲家)

「歩く」効果とは

・座っているより歩いている方が造像性60%アップ(スタンフォード大学)

・「歩く」ことで脳が若返る(イリノイ大学ほか)

・Meta社本社屋上のトレイルコース

・ウォーキングミーティングの活用

2.座ることは新しい「喫煙」

座ることは新しい癌である―Apple ティム・クックCEO(2014年)

1時間以上座り続けていると・・・

『脂肪燃焼の酵素減→代謝下がり善玉コレステロールレベルに悪影響→心臓病、2型糖尿病、乳がん、大腸がんのリスクが増大する可能性』

これらは不可逆的で、後の運動で取り戻せないと言われている。

【ポイント】

・週3回、40分/回のウォーキング(記憶力を向上させるための頻度)

・定期的に立ち上がるようにし、座り続けることを避ける

3.靴について

靴を選ぶとき、デザイン性やファッション性を大きな基準に選びがちだが・・・

市販シューズは自然な人間の足の形をしていないことが多く「靴の形に足を合わせている状態」で、外反母趾などの変形に繋がり、精密機器といわれる足の筋肉が使われていない。

・靴のつま先部分が、足の一番広い部分に合わせた形が理想

・靴底が水平な「ゼロドロップ」の靴で姿勢を正す

→このような靴が海外でブームとなり、高級ブランドにも広まりつつある

4.都市化という人体実験

・近年、歩ける街の価値が上昇している。

・ジェイウォーキング(横断違反)=横断歩道以外で道路を渡る歩行者を非難する風潮の浸透とともに、道路(都市)が車中心のものとなった。

・近年では、アメリカやカナダなどで「歩くことができる街にはクリエイティブな人々が集まり、街の価値が高まる」という認識が浸透しつつある。

 

5.自然を歩くといい

・幼児は歩くことで好奇心が刺激され、言語の習得にも繋がっていると言われている。

・自然の中を歩くときは、都市を歩く際と比較して、周囲の様々な情報に気を使いながら歩く必要がある。そのため、違うことを考える余裕もなく、脳よりも身体が優先されている状況となり、脳、特に前頭前野が沈静化されるといわれている。

・現代社会は情報に溢れ、脳が休まる時間が少ないとされており、自然の中を歩くことで脳を休める効果が期待される。

第124回マッセ・セミナーのようす

座りっぱなしを防止するため、途中で立ち上がりました!

質疑応答の時間では、施策への反映方法など、たくさんの質問が寄せられました。


受講生のアンケートでは、「個人的興味から参加したが、施策にも関わる興味深い内容でした。」「施策にも反映できそう」「ストレス発散と仕事効率の向上の為にウォーキングに励もうと思いました。」など、 前向きな声が多くありました。