先輩職員が語る市町村職員のやりがい 事務職のやりがい

Hさん(20代・入庁5年目・技術職、建築職)

私は建築指導課で主に、確認申請の審査業務を行っています。

業務内容としては確認申請が提出された物件が、建築物の敷地、構造、設備、及び用途に関する法律等の規定に適合するかどうかを審査しております。

私たちが正確な審査を行い、設計者に対して的確な指導を行うことによって、市民の方々の人命や財産の保護の一端を担っていると思うと、自分の仕事に誇りを持つと同時に、やりがいを感じます。

昨今では耐震偽装問題等によって法律による規制が厳しくなっているため、より正確な審査、指導を徹底していきたいと考えています。

Iさん(20代・入庁6年目・技術職、 機械職)

市役所の業務で機械職と言うと馴染が薄く、市民の方はほぼどの様な業務を行っているか知らないと思います。

大きく分けて清掃工場や下水処理場の様な大型特殊機械に係わる業務と市有建物(学校、保育所等)の建築設備に係る業務です。

私が現在、行っている業務は後者であり、その詳細としましては、給排水衛生・空調換気・ガス設備の設計、積算、現場での業者監理です。図面を描く上では、実際に使用される方の気持ちになって設計をして、工事の現場では更に修正を加えながら、自分の家を建てる様な気持ちで、妥協を許さない建物づくりに努めています。

工事が完成して市民の方(保育所の園児や学校の生徒)が喜んでいる姿を見ると苦しかった設計や現場の事が癒されます。

ものづくりを通じて市民のみなさんの、お役に立てる事が私の機械技術職としてのやりがいです。

Jさん(20代・入庁6年目・技術職、 土木職)

道路や公園、下水道などはわたしたちが住む街には無くてはならない物。出来あがってしまえばあたりまえの存在ですが、整備するには基本計画策定から関係者との協議、施工まで長い時間がかかります。

市役所の土木職は、暮らしやすい街のための構想→計画→設計→施工→管理までの一連の流れを全て行い、将来にわたり市民に役立つものをつくることに魅力があります。

●バリアフリー基本構想での歩道整備の例

【計画系(構想/計画)】……都市計画課

市民や交通弱者が安全に歩けるように、地区ごとに駅と公共施設を結ぶ歩道のネットワークを考えます。

警察や道路管理者(市の道路課、大阪府、国交省)、鉄道事業者、市民の地区関係者と協議会をつくって、全体計画を決めます。

【事業系(設計/施工/管理)】……道路課

基本構想に基づいて年度ごとの整備(工事)計画を立て、歩道の設計をします。

きれいな街、魅力ある街になるように歩道のカラーデザインも決めます。

Kさん(30代・入庁3年目・技術職、 土木職・民間企業経験者採用)

土木において行政と民間の違いは、一つの構造物に関わる時間の違いと言えます。

行政では自らが立案し、その後は計画・設計・施工・維持管理と一貫して、すなわち、土木構造物のライフサイクル全般に携わります。対して、民間ではそれぞれの企業が得意とする分野、計画・設計であればコンサルタント会社、施工であれば建設会社がその時々で部分的に関わっています。例えるなら、子供(土木構造物)の成長過程での親(行政)と学校担任(民間)の違いといえるでしょう。

建設会社勤務時代は一つの現場が完成すればすぐに次の現場へ移動となり、その後の状況などは近くに行く用事がある場合に少し見物する程度で、正に同窓会に出席する学校の担任のような気がしました。しかし、行政職員となった現在は親の立場で構造物を長期間に渡って見守ることができます。

また、日常業務において市民からの道路に関する要望を多数頂くことがあり、改めて道路が市民生活の基盤になっていることを感じています。本市の道路は耐用年数をはるかに経過した路線が多数あり、劣化が激しい区間も見られるため、私は舗装施工管理技術者として新たな視点を持った道路の維持管理を行い、市民の期待に応えられる道路行政をしていきたいと思っています。